目次 [非表示]
序章:それは、コーヒー1杯ぶんの収益から始まった
あの日のことは、今でもはっきり覚えてる。ちょっとだけ曇った水曜日の朝。
なんとなく開いたGoogleアドセンスの管理画面に、ぽつんと「¥38」の表示。
「え?……なにこれ?」
それが人生初のアドセンス収益だった。
コーヒー一杯にもならない。だけどその¥38は、今までどんな給料よりも、どんなご褒美よりも、ずっとずっと心に響いた。
“誰かが、私の記事を読んで、広告をクリックしてくれた”
その事実だけで、私は泣きそうだった。
この一年、笑って泣いて、悩んで焦って、やめようと思った日も数えきれないほどあった。
それでも、書くことをやめなかった理由は、この最初の¥38が教えてくれた。
「続ければ、きっと見える世界がある」
この記事は、そんな1年を通して感じたことの“総集編”。あなたがこれから歩む未来に、少しでも灯りを灯せたら嬉しい。
第1章:最初の3ヶ月は“無音の修行”
誰にも読まれない虚無地獄
最初の3ヶ月間、私は毎日1記事を目標に書いていた。
それなりに気合を入れて、タイトルも工夫したし、見出しもつけた。
でも、リアルな話。
PVは「1日0〜3」。そのほとんどが自分のアクセスだった。
Googleアナリティクスのリアルタイムが「0人です」の表示になれてくると、逆にその無音の静けさに耐性がついてくる。
でも、ふとした瞬間に心がポキッと折れそうになる。
「こんなに頑張ってるのに、誰も見てないの?」
そんな夜が、10回以上あった。
夜中の3時、布団の中でスマホの画面をじっと見つめながら、「もうやめようかな」と何度つぶやいたことか。
でも、やめなかった。
なぜなら、「やめたらここまでの努力が全部水の泡になる」と思ったから。
モチベを支えた“ネタ帳”と“自分との約束”
それでも続けられたのは、スマホの中の小さなメモ帳のおかげだった。
名前は「ブログネタ箱」——そのときの私は、“これが自分の唯一の希望だ”と思ってた。
仕事帰りの電車の中、カフェでぼんやりした時、ふと浮かんだフレーズや疑問をメモしていく。
「カフェインって夜飲むと寝れなくなるの?」 「リモートワークで集中力が続かない理由って?」
それを家に帰って“記事化”していくのが日課。
誰にも読まれなくても、自分が興味を持ったことを掘っていく楽しさが、ギリギリのモチベーションだった。
週末には「ネタを育てる会」と称して、自分でネタ帳を読み返して“これは記事になるか?”と問いかける時間を設けた。
その時間が、ちょっとした“対話”のようで、孤独な日々の救いになっていた。
そして私は、自分にこう誓ったんだ。
「半年は、PVとか収益とか気にせず書き続けよう」って。
誰にも読まれない時間も、実はブログの基礎体力をつける“筋トレ”だった。
第2章:4〜6ヶ月目、反応がポツポツ返ってくる奇跡
Google検索からの“初訪問者”
ある朝、Search Consoleを開いたら、
表示回数:3 クリック数:1
思わず、スマホを持ったまま叫んじゃった。
「やばい、誰かが検索して私のブログをクリックしてる!」
その日から何度も見返した、たった1の数字。
でもその“1”が、今までのどんな数字よりも重かった。
私はその記事のタイトルを何度も読み直し、本文をチェックし、誤字脱字がなかったか、表現が冷たくなっていなかったか、何度も見返した。
そのくらい、“誰かに読まれた”という事実が大きかった。
「ありがとう」が届いた日
5ヶ月目の記事に、初めてコメントがついた。
「子育て中で不安だったけど、この記事を読んでちょっと安心しました」
画面の前で、しばらく動けなかった。
コメント欄を何度もリロードして、「夢じゃないか?」って本気で思った。
その日は、いつもより丁寧に食器を洗って、いつもより早く寝た。
あぁ、私の文章が、誰かの心に届いたんだ。
初めてPVが“人のぬくもり”に変わった日だった。
夫にそのことを話したら、「へぇ、良かったね」と軽く言われた。
でもその「へぇ」の一言も、私は心の中で抱きしめた。
ブログを書いてる日々が、少しずつ日常の一部になってきている証だったから。
第3章:7〜9ヶ月目、収益が「月に5,000円」超えた日
嬉しいけど、正直まだ遠い
ブログ7ヶ月目。初めて月の収益が「5,000円」を超えた。
その時の心境は…なんていうか、誕生日に手作りクッキーをもらったみたいな、ちょっとくすぐったい嬉しさだった。
「えっ、これ本当に自分で稼いだの?」ってスマホのスクリーンショットを撮って、ロック画面に設定してしまったくらい。
でも同時に、現実的な思考もよぎった。
「1ヶ月5,000円か……生活費の足しにはならないな」
それでも、その金額は“0から自分で生み出した”証。
私はそれを、他の何よりも誇りに思った。
小さなブレイク記事との出会い
ちょうどその頃、「プチバズ」した記事があった。
タイトルは《知らないと損する!在宅ワーク中の腰痛対策5選》
このネタ、実は自分自身が腰を痛めて苦しんでた経験から生まれた。
文章には自然と熱がこもり、実体験からくる説得力もあったのだと思う。
その記事が、Twitter経由で拡散され、数日間で1000PV超え。
収益も、その記事だけで¥1,000以上を生んだ。
バズるって、もっと“外れた尖った内容”じゃないとダメだと思ってたけど、 「リアルで役立つ、真面目な記事」もちゃんと評価されるとわかった。
この経験が、私の“記事づくり”に対する意識をガラリと変えてくれた。
第4章:10〜12ヶ月目、「指名検索」が生まれた衝撃
自分の名前で検索される日がくるなんて
Search Consoleに「検索クエリ:◯◯ ブログ名」と表示された日、私は10秒固まった。
「え、待って、それって私のブログを“探しに来た”ってこと?」
嬉しさを通り越して、鳥肌が立った。
もはや“通りすがり”ではない。“信頼”され始めているんだと実感した。
数ヶ月前まで、自分のブログが検索結果の底辺をウロウロしてたのに。
それが今、誰かの中で「また読みたい」と思われる存在になっている。
この頃から、明らかに“再訪問者”が増えていた。
Googleアナリティクスの「リピーター率」が30%を超えた瞬間、私は静かにガッツポーズを決めた。
PV月1万超えとSNSの拡がり
Twitterのフォロワーも徐々に増え、たまに記事をシェアすれば、共感のリプやDMが届くように。
ある日、あるママブロガーさんが、私の記事を紹介してくれた。
「この人の文章、あったかくてスッと入るんだよね」
そんな一言が、1年間書き続けた私の心をふわっと包んでくれた。
月間PVが1万を超えたのもこの時期だった。
アドセンス収益は月1万〜1万5千円に。
ランチを何回か奢れるくらいだけど、数字以上に「書くことが日常になった自分」に驚いてた。
それって、“収益”というより“生き方”の変化だった。
第5章:1年やって気づいた“本当に大事なこと”
① SEOは「技術」じゃなく「心配り」
タイトルを“検索されそうな言葉”で書くことも大切。
でも一番効果があるのは、「読者が迷わない構成」と「欲しい情報がすぐ見つかる気遣い」だった。
ある日、友達にブログを見せたら、
「あー、この見出し、分かりやすい。迷子にならない」
って言ってくれたのが嬉しくて。
以来、私は“自分が編集者ならどこに見出し置く?”って視点で記事を整えるようになった。
読者の“時間を奪わない”って、本当に大事。
② 「あなたの声」が武器になる
「誰にでも書けそうなこと」って、実は「誰にでもは伝わらない」。
あなたが経験したこと、あなたが考えたこと、
それにこそ“ブログの価値”が詰まってる。
文章に自分の言葉を混ぜることで、「あなただけの声」になる。
例えば、
「私は子どもを寝かしつけてから、夜の22時〜24時が“ゴールデン執筆タイム”です」
と書いただけで、同じ境遇の読者がグッと引き込まれてくれる。
そういう“生活の中の匂い”がある文章が、一番響く。
③ 続けた人だけが、“未来の自分”に出会える
もしも私が、3ヶ月目で「もう無理」と言ってやめていたら、
たぶん今のこの小さな成功もなかった。
自信も、経験も、成長も、出会いも、ぜんぶなかった。
ブログって、「未来の自分を育てる手紙」なんだと思う。
だから、たとえ成果が見えなくても、迷っても、不安でも、
1年、まず続けてみて。
続けた先には、“想像もしていなかった景色”が待ってる。
終章:未来のあなたへ、ひとこと贈るなら
ブログは、魔法じゃない。
一気に稼げる裏技もなければ、誰でも当たる保証もない。
でも、1年間続けた私が断言する。
「ブログは、静かに人生を変える力を持ってる」
時間はかかるけど、
文章が“誰かの支え”になる瞬間がある。
お金じゃない価値を、きっと得られる。
だから、もし今つらくても、投げ出したくても、
それでも続けてみて。
あなたが紡ぐ言葉は、誰かの明日をそっと照らすかもしれないから。
さあ、今日も一緒に、一文字ずつ。
この静かな冒険を、続けていこう。