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「ピッ。あなたは嘘をついています」
想像してみてほしい。
朝の通勤電車、職場の会話、恋人とのLINE、コンビニでの「ポイントカードありますか?」
そのすべてに、「嘘発見器」が作動していたら──。
これは、フィクションか、それとも予言か。
本記事では、「ウソ発見器の義務装着が法律で決まった世界」を徹底的にシミュレート。
この世界で人は幸せになれるのか、それとも崩壊するのか。
ユーモアとリアルのはざまで“嘘の正体”に迫ります。
なぜ「嘘」は必要とされてきたのか?
「嘘は泥棒の始まり」──日本では小さい頃からそう教えられる。
だが実際、私たちは1日に平均10回以上の“嘘”をついているというデータも存在する。
- 上司「この資料、すごくいいね!(内心:全然わかってないけど)」
- 恋人「全然怒ってないよ(めちゃ怒ってる)」
- 店員「またお越しくださいませ!(二度と来ないで)」
こうした“優しい嘘”は、時に人間関係の潤滑油になる。
逆に“真実”ばかりが飛び交えば、社会はギスギスどころか戦争状態かもしれない。
では、「ウソ発見器」が強制的に真実を暴いてしまうと、人間社会はどう変わるのか?
【想像してみよう】ウソ発見器義務装着社会の1日
● 朝、家庭で
「今日の服、似合ってる?」
→ピッ!「ウソを検出しました」
→離婚届が静かに机の上に置かれる。
● 出社後、上司との会話
「今月も順調ですね」
→ピッ!ピッ!ピッ!
→役員会でクビ決定。
● ランチタイムの会話
「全然、太ってないよ!」
→ピーーーーーー!!
→友情終了。
● デート中の質問
「他に好きな人、いないよね?」
→ピッ。
→涙とともに会計済み。
「真実」は、果たして人を救うのか?
この社会では、もう言い逃れができない。
浮気、不倫、サボり、建前、見栄…。
すべてが「ピッ」という機械音と共にバレてしまう。
一見、透明性のある理想的な世界に見えるかもしれない。
しかし実際は、以下のような副作用が生まれてくる。
● コミュニケーションの激減
誰もが本音を恐れ、言葉を発することすら避けるように。
「こんにちは」=「こんにちは(本当は話したくない)」とバレてしまう恐怖。
● 恋愛・結婚の衰退
恋愛は幻想と少しの“嘘”がスパイス。
「運命の出会い」も「一目惚れ」も、アルゴリズムで「嘘」と判定されたら冷めるしかない。
● SNSの終焉
インフルエンサー「これ、本当におすすめです!」→ピッ。
案件案件案件、全バレ。
フォロワー激減。世界中で“無加工”“本音垂れ流し”がスタンダードに。
それでも、この世界に希望はあるのか?
絶望的に思えるこの社会にも、意外な光明はある。
● 詐欺・犯罪の大幅減少
嘘がつけないということは、騙せないということ。
悪徳商法、マルチ商法、投資詐欺が壊滅状態に。
「ウソをつけない保険営業マン」は、本当に信用されるかもしれない。
● 本当の友達しか残らない
嘘を許容してくれる存在、もしくは嘘を必要としない関係だけが生き残る。
付き合いの“選別”が強制的に進む結果、より深く濃い人間関係が築かれる可能性も。
最後に──嘘をつける自由と、つかない誠実さ
人はなぜ、嘘をつくのか?
それは、自分を守るため。
相手を傷つけないため。
ときに夢や希望を信じさせるため。
もし「ウソ発見器義務化」が実現したら──
それは、人間という存在が「完璧な透明」を受け入れられるかどうかの試練になるだろう。
けれど私たちは、嘘をつけるからこそ、優しさを演出し、誰かを守ることができるのではないか?
今日もあなたの心の中に、小さくて温かい“嘘”があってもいい。
それが、誰かの笑顔を守るものなら。