心を整える、墨の魔法。〜小学生が習字を習う理由、ぜんぶ話すね〜

１．ねぇ、覚えてる？あの墨のにおい。

小学校の教室。木の机に新聞紙を敷いて、半紙をピンと広げる。
硯（すずり）に墨汁をたらして、筆先をちょんちょんと。
……ふわっと香ってくる、あの墨のにおい。覚えてる？

私は小学生のとき、「習字の時間」がめちゃくちゃ好きだった。
いや、正確に言うと「始まる前」がワクワクしたの。
だって普段の授業とは全然違うんだよ？

筆を使う。
墨をする。
一文字一文字に“心”を込める。

それだけで、なんか自分がちょっと“特別な人”になれた気がしたんだ。

２．なんで習字をやるの？その理由、実は深い。

ねぇ、ちょっと考えてみて。
なんで小学生って「書道」じゃなくて「習字」って呼ぶか知ってる？

習う字。つまり「美しく字を書く練習」ってこと。
でもね、実はそれだけじゃないんだ。

文部科学省の指導要領を読んでみると、こう書かれてるんだよ：

「文字への関心を高め、文字の形や整え方に注意し、丁寧に書こうとする態度を育てる」

つまり、ただの“字の練習”じゃなくて、心の姿勢を整えるトレーニングなんだよ。

３．「字は人を表す」ってホント？

昔からよく言うよね、「字は人を表す」って。

なんかおばあちゃんが言いそうなフレーズだけど（笑）
これ、実はめちゃくちゃ深い言葉なんだ。

ある有名な書家がこう言ってた。

「その人の呼吸、リズム、集中力。すべてが字に出る。」

一画一画に、丁寧に向き合える人は、どんな場面でも信頼される。

子どもたちが習字を学ぶってことは、自分をコントロールする力を養うってことなんだよ。

４．筆で書くって、めちゃくちゃ感性育つよ。

鉛筆やペンとは全然違う。
筆って、「強く押しすぎたらベチャッ」「弱すぎると線にならない」。

つまり、繊細さの極みなんだよ。

「とめ」「はね」「はらい」って言葉、小学生のときはなんとなく聞き流してたけど、
今思えばこれって、めちゃくちゃ“感性”を育てるキーワードじゃない？

・筆を入れる瞬間の緊張感
・筆を離すときの余韻
・墨の濃淡の美しさ

これら全部が、子どもたちの感性をぐぐぐっと伸ばしてくれるんだよね。
アートのはじまりって、たぶんこういうことなんだと思う。

５．「静けさ」と向き合う時間

普段って、スマホやゲーム、YouTubeでワチャワチャしてるじゃん？
でも習字って、めっちゃ静かなんだよね。

筆が紙をする音。
墨の香り。
呼吸が深くなる瞬間。

これ、現代の子どもたちにめちゃくちゃ必要だと思う。

マインドフルネスって大人の世界では流行ってるけど、
実は“日本の子ども文化”の中にも、それに近いものがちゃんと根付いてるんだよね。

６．実は「自己肯定感」が上がる習いごと

子どもって、ちょっとした「できた！」でめちゃくちゃ自信つくじゃん？

習字って、成果が目に見えるのがいいところ。

「あ、今日の“心”って字、めっちゃ上手く書けた！」
「先生が“はねが美しい”って言ってくれた！」

こういう積み重ねが、じわじわと自己肯定感を高めてくれる。
「字が上手くなった」ってのは、単なるスキルじゃなくて、
“自分の存在価値”を自分で認められることにつながってる。

７．大人になったらわかる「字の威力」

就職活動の履歴書。
お礼状。
結婚式の芳名帳。

――全部、手書きだよ。

そして、字が綺麗だと「おっ、しっかりしてる人なんだな」って思われる。
逆に、字が汚いと「うーん、ちょっと雑かも…」って思われがち。

習字を通して美しい字が書けるってことは、人に安心感を与えるチカラでもあるんだよ。

８．専門家も言ってる！習字の力は本物だよ

小児教育の専門家・脳科学者・心理学者たちの研究によると…

習字は「集中力」を爆上げする！

→ 10分間の習字で、脳波にα波（リラックス波）が出現。
→ 子どもたちの集中力が明らかにアップするという実験結果も！

習字は「情緒の安定」にも効果的

→ 墨の香りやリズムある動作が、自律神経を整えてくれる。

習字は「創造性」や「自己表現力」にもプラス

→ 墨の濃淡・レイアウトの自由さが、子どもの“個性”を引き出してくれる！

９．「ただの習いごと」で終わらせないで

習字って、地味に思われがち。
でもさ、今の時代だからこそ必要な習いごとじゃない？

・スマホじゃ得られない「集中」
・SNSでは味わえない「静けさ」
・ゲームにはない「余白の美」

筆一本で味わえる、心の豊かさ。
それって、すごくない？

１０．最後に伝えたいこと

私は今でもたまに筆を取るよ。
忙しい日々の中で、あの静寂と墨の香りに包まれる時間は、
まるで「心を洗う」みたいなんだ。

そして、あのときの「心」という字は、
今の自分の「心のあり方」にも影響してる気がする。

だからこそ、小学生が習字を習うことには、
ただの「字の練習」を超えた、大切な意味があるんだと思う。

あなたの子どもが習字に出会ったら、
ぜひこう伝えてあげて。

「それは、“心を整える魔法”なんだよ」って。