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スマホを置いた瞬間、世界がざわついた
目覚ましの音が鳴らない朝。
手探りで時計を探し、時間を確かめる——というよりも、ただの本能だった。
「やば、LINE…」
次の瞬間、そう思いかけて、思い出す。
——そうだ。今日から、スマホなし生活。しかも、1週間。サバイバルだ。
好奇心から始めた企画だった。SNS中毒、常時通知、依存、孤独回避。
そのすべてから切り離された自分が、どんなふうになるのか知りたかった。
まさか、「自分の人生の軸」が見える1週間になるとは、思いもしなかった。
スマホなし初日。何をしていいかわからない
朝食を食べながら、手がスマホを探す。
テーブルの上に“ない”ことに、体が驚く。
テレビの天気予報が流れる中、ニュースも全部「遠い」。
「え、今日は雨だっけ?」
Googleも見れない。
天気の“自信”が、まったく湧いてこない。
散歩に出てみる。空を見上げる。
…あ、雲の形、なんかドラゴンっぽい。
子どものころは、よくそんな空想してたな。
スマホがないだけで、世界が“ちょっと違って見える”。
これって——なんだか、楽しいかも?
2日目。時間が、ゆっくり流れはじめた
いつもは「あと3分だけ」と言ってスマホを見ていた夜。
その“3分”が今日はない。
早めに布団に入る。
すると、耳が静かになる。
虫の声。時計の針の音。
呼吸のリズムが聞こえる。
「これが“自分の時間”か…」
本を読み始めた。
5ページで眠くなったけど、なんかすごく満たされた気がした。
3日目。会話が、深くなった
スマホがないと、すべて“直接”になる。
家族との会話。
コンビニの店員との挨拶。
道端で会った近所のおばあちゃんとの何気ない会話。
「あんた、スマホ壊れたの?」 「いえ、あえて1週間やめてみようかと」 「ほぉ、それはすごい挑戦だねぇ」
話が弾んで、5分くらい立ち話をした。
心がポカポカした。
SNSでの「いいね」より、
誰かの“笑顔”の方が、ずっと温かかった。
4日目。孤独と向き合うということ
4日目にして、突然きた。
「誰ともつながってない感じ」が、ズンと重く心に落ちた。
こんなとき、いつもならTwitterを開いて、誰かのつぶやきを見て安心していた。
でも、今はそれができない。
自分と向き合うしかない。
ノートを開いて、ただただ感じたことを書く。
「何のために生きてるんだろう?」
「誰かに必要とされてるのかな?」
目を背けていた“本音”が、ぽつぽつとノートに現れた。
それが、とても苦しくて、でも清々しかった。
5日目。自然と、呼吸が合ってきた
朝、窓を開けたら鳥のさえずり。
空気が澄んでいた。
スマホを使っていた日々は、こんな朝すら感じられてなかった。
お湯を沸かし、丁寧にコーヒーを淹れる。
読書をする。
散歩をする。
すべてが“手作業”で、“今”を生きている感じがする。
そして何より、自分の感覚が“敏感”になってきた。
音、匂い、気配、心の動き。
情報を受け取るばかりの生活では感じられなかった「今、ここ」がある。
6日目。スマホのない“自分”が好きになった
「俺、スマホに縛られてたな」
ふと、そう感じた。
好きなときに検索できる。
好きなときに通知を見る。
でも、どれも“与えられるもの”ばかりだった。
スマホがないと、自分で「決める」。
どう過ごすか。何を考えるか。誰と話すか。
“受動”から“能動”へ。
そして、そんな生き方が、どこか誇らしかった。
7日目の夜。静かすぎる幸せ
最終日。
夜の空が、なぜか澄んで見える。
「もうすぐ、スマホが戻ってくる」
それが少しだけ、怖かった。
あの便利さと中毒性。
もう、元には戻りたくない。
でも——必要なときだけにしよう。
大切な人の連絡。
本当に知りたい情報だけ。
それ以外は、静かな時間に包まれていたい。
スマホが戻ってきた朝に思ったこと
1週間後。
電源を入れたスマホが、通知で真っ赤になっていた。
でも、それを見て、思った。
「ああ、これが“騒がしい日常”か」
そして、ノートにこう書いた。
「スマホのない生活は、“不自由”ではなく、“自由”だった」
ぜひ、3日だけでも試してほしい
読んでくれてありがとう。
この1週間で、僕が得たものは「時間」「感性」「心の静けさ」だった。
スマホが悪いわけじゃない。
ただ、持ちすぎていた。
心が埋まらないから、通知で埋めていた。
でも、それをやめたら、
“自分”という静かな森に、また帰ってこれた気がしたんだ。
だから、ぜひ、あなたにも体験してほしい。
3日だけでもいい。
スマホを手放して、世界を見つめなおしてみて。
——きっと、想像以上に「美しい世界」が見えるから。
この経験を「あなたの物語」にしてみませんか?
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